梨人(なしんちゅ)のキセキ 梨で明和町をもっと元気に!

群馬県・明和町で、若手の梨農家や後継者などが集まり、2013年に立ち上がった団体「梨人」(なしんちゅ)。梨づくりのプロフェッショナルになることはもちろん、梨で町をもっと盛り上げようと、日々奮闘中。その足跡をメンバー4人が週替わりでつづっていきます。

2013年07月

 酷暑で早まった収獲開始も期待ほどではなく、盆最終日までに採れた幸水は全体の1割程でした。ジベ処理による熟期促進を、邪道とばかり言い続けるのも考え物です。

明和に来た新規就農者②


小雨とはいえ、明和では2日間続けて雨が降りました。梨の実が肥大するこの時期の雨は、とてもありがたいもの。果実もぐんぐん大きくなっています。今年は自分の直売所も設置するし、本当に収穫が楽しみです。

去年の今時期は、収穫に期待していませんでした。それまでの病気を引きずり、実をとることを諦めてその病気を撲滅することを優先していたからです。3年前、自分が明和に来て借りた梨園とは、そんな状態の園でした。



明和が内外から梨の生産者を募集し始めたのが2007年。自分が明和に来たのが2011年ですが、それまで、2人の新規就農者が県外からやってきました。つまり、自分は3人目なんですね。

以前にもこのブログで書きましたが、新規就農者の条件として

①縁もゆかりもない地域で、

②非農家出身の人間で、

③3年以上、無収入でも生活していける&農業経費を出せるお金がない

・・・に当てはまることとしました。上記の3人はまさに新規就農者でした。

当初、自分の面倒をみてくれたのが、一人目の方です。公私にわたりお世話になりましたが、残念ながら農業を断念されました。それだけ、これらの条件をクリアするのは困難です。

二人目の方は、面識がありません。自分が明和に来る数カ月前に、明和からとんずらしたからです。まあ、そのおかげで梨園が空いて、自分が就農することができたんですけどね。ただ、彼が置いていった忘れ物があまりにも迷惑でした。

彼が明和で挑戦したのが梨の無農薬栽培です。果樹の無農薬と聞いて、今、上映されている「奇跡のリンゴ」をイメージされる方もいるかもしれませんが、「覚悟」のレベルが違い過ぎます。奇跡のリンゴの主人公でもある木村さんは、8年間かけて無農薬栽培を確立させたそうですね。・・・8年間です。それまでリンゴの収入もなく、極貧暮らしで家族にも負担をかけ、周辺の人たちからも叩かれても、それでも諦めなかった木村さんの「覚悟」とそのご家族には、心の底から敬服します。

一方で、二人目の彼はわずか半年で諦めたそう。おそらく周りからも散々叩かれて、陰口を言われたことでしょう。彼をフォローするつもりはまったくありませんが、それでも新規就農者が半年間、耐え忍んだのは褒めるべきかもしれません。ただ、木村さんは新規就農ではありませんが、8年間耐えてさらに無農薬を成功に導きました。その覚悟は比べるのもおこがましいでしょう。


さて、二人目がとんずらした後の梨園は、無農薬だったのでもちろん病害虫だらけ。さあ、この梨園をどうするのか、復活させるのに最低でも3年はかかるような園を地元の人たちは誰も管理したくない、ならいっそのこと樹を切ってしまうか・・・。そんな時に、明和を訪ねてきたのが自分だった訳です。

それから1年、2年と病害虫と闘い、今年になってようやくまともな収量が期待できそうな園になってくれました。それだけ手に塩かけてきた梨たちも、そろそろ収穫が近くなってきました。楽しみに方が圧倒的に大きいのですが、寂しさもあるのが不思議。我が子を社会に送り出す気持ちに近いんでしょうかね?

今年も梨が始まります


我が園で一番早く獲れる品種「長寿」が、赤みを帯びてきました。
DSC_1410
分かりずらいかもしれませんが、上記の写真左側が色づいた長寿です。

梨の実が青いのは、「まだまだ私は大きくなりますよー」という合図。一方で、赤くなってくるのは「私はこれ以上大きくならずに甘くなりますよー」というサインです。

今月末、もしくは来月頭には収穫が始まるかなという感じですね。

いよいよ、梨のシーズンが到来しますね、楽しみ楽しみ!

我が相棒


前回、乗用草刈り機の話で、肝心の機械の写真を掲載し忘れるというポカをやりました。その時にふと思い出したのですが、このブログでダニダニと騒いでおきながら、それを防除する機械の写真も載せていないことに気づき!!そこで今回は防除機の写真からお披露目したいと思います。これです!!

DSC_1398
スピードスプレイヤー、通称「SS(エスエス)」。500㍑入るタンクを装備した我が相棒です。


DSC_1399
後ろ側にあるこの噴射口から、消毒剤をまきます。



DSC_1401
水を出すとこんな感じです。このまま園内をグルグル回り、なるべく均一に農薬をかけるようにするのがポイントです。葉や樹の枝が密集してかかりずらい箇所もあるので、そういう所はなるべく備え付けのホース(上記の写真でいうと右側の黄色部分)で手散布です。

今の時期だと、この作業を朝の4、5時ごろから開始します。もしくは夕方。暑い時間帯に農薬をかけてしまうと、高温障害を引き起こす可能性があるので、涼しいうちにやるのが大前提。あと、真夏の昼間に厚いカッパを着て作業するなんて、効率悪すぎですからね。暑過ぎて身体が動きません。

乗用草刈り機は楽しい


35℃を超える日が連日続いた梅雨明けのころと違い、最近は30℃前後で推移しています。曇りの日も多いので比較的、百姓の仕事がしやすいなと感じています。

今日は先日紹介したジョイント畑の除草作業。乗用の草刈り機に乗って、ひざ丈付近まで伸びた草を刈りました。

DSC_1395

刈る前です。

DSC_1396

刈った後。

ちょっと、写真では分かりずらいかもしれませんが、すっきりしました。今の時期だとわずか10日前後で刈る前の状態に戻ってしまいますけどね。

でも、この乗用草刈り機での作業、自分は大好きなのでまったく苦になりません。いくら年をとっても、男の子なら誰でも好きなんじゃないかな?ゴーカートに乗ってみるたいでイヤッホーって感じで、なおかつ畑もきれいになるので楽しいです。一台60万円はしますが、手作業での除草よりも圧倒的に効率的です。

あっ!肝心の乗用草刈り機の写真とるの忘れた!後日に記載しますね!

正念場


ダニダニダニ・・・


なんか、夢にまで出できそうですが、相も変わらずダニと戦っています。

ヤツらとの戦いを制すれば、美味しい梨を皆さんにお届けできるはず。


本格的な梨のシーズンまで、おそらく一か月は切っています。それまでにヤツらとの戦いに勝利するべく、明和の梨農家は今が正念場です!
ギャラリー
  • 泣いて馬謖を斬る
  • マニュアルの功罪
  • マニュアルの功罪
  • 危険牌を通す?
  • 新製品?5
  • 新製品?5
  • クリーニングクロップ
  • ジベ焼け?(新製品4)
  • 満開日
  • ライブドアブログ