梨人(なしんちゅ)のキセキ 梨で明和町をもっと元気に!

群馬県・明和町で、若手の梨農家や後継者などが集まり、2013年に立ち上がった団体「梨人」(なしんちゅ)。梨づくりのプロフェッショナルになることはもちろん、梨で町をもっと盛り上げようと、日々奮闘中。その足跡をメンバー4人が週替わりでつづっていきます。

2017年07月

 酷暑で早まった収獲開始も期待ほどではなく、盆最終日までに採れた幸水は全体の1割程でした。ジベ処理による熟期促進を、邪道とばかり言い続けるのも考え物です。

いよいよ

今日も読んでいただき、ありがとうございます。えぇファームの東です。

全国の梨農家さんの多くが、最も忙しい8月がやってきました。今年は就農以来、最悪となるほどの病害虫(黒星&ダニ)を出してしまい、その退治に追われる日々を過ごしていました。

原因は様々ですが、新規に増築した梨畑が徐々に成園化し、管理面積がぐんぐん増えていくなかで、どうしても病害虫の初期発生を見逃してしまう傾向が今年は強く出てしまいました。1日48時間欲しいところですが、来年は雇用を考えつつ、対策を練っていきたいです。

と、来年のことを考えるヒマもなく、まずは今年の梨たちのこと。病害虫たちと戦いながら、何とか育て上げてきた梨たちです。美味しく食べていただけますように。

異名同種

 TKB47(矢沢)です。
 先週に続き研修会(県園芸協会主催)があり、昨日には地元群馬県の試験場に行ってきました。
 こちらでもハダニ類防除に関する話がメインで、下草管理(全刈りかトラ刈りか)と天敵製剤の種類(スパイカルプラスかシステムミヤコくんか)を組み合わせた試験の説明がありました。トラ刈りとは、株周りだけ草を刈らないという処理で、要するにモアで縦横に走るだけの管理法です。
 残念ながら、薬剤散布で密度低下を図るタイミングが遅れ、各処理区ともハダニ類が多く発生していました。このため、今年に関しては、いいデータは取れていないとのこと。他地域(恐らく前橋)の生産者から厳しい意見も多くあったので、来年度以降の成果に期待したいと思います。

 そんな中でも、有用な知見もありました。ダニ剤の分類です。「異なる系統の薬剤をローテーション散布する」のは古くからの鉄則。しかし、特にダニ剤の系統に関しては、「その他」として一くくりにされる場合が多く、どれとどれが異なる系統なのか分からない状態でした。
 それは良くないとなったので?作用機作を示すコード(IRAC)が剤ごとに示されるようになったそうです。コード記号が同じ場合、成分名が違っていても、同じ剤として扱うべきという判断ができます。例えばコード20Aと20B、大分類の20が共通なので、類似性が極めて高く、近接散布は避けるべきとのことでした。

29ダニ剤一覧


延着

  TKB47(矢沢)です。
 とうとうハダニ類が出てしまいました。加えてうどんこ病も。去年よりだいぶ遅れていますが、見逃してはくれなかったようです。ごく初期なので、何とか抑え込みたいと思います。


苗圃BA

 苗圃の方が問題です。隣の空き地が中古車置き場になっていしまい、SSなどが通り抜けられなくなりました。もともと他人の土地なので、文句を言う筋合いではありませんが。ここを管理している不動産会社からは家が建つと聞いていましたが、気兼ねなく薬散できるという点で、そうなるよりはマシでしょう。

 DSCN0716
 
さらに、サビダニ類(モザイク症状)と黒星病。黒星に関しては、本圃での病徴(下の写真左:ほほ葉柄、葉脈のみに出る)とは全く違うので、広がるまで気づきませんでした。防除は全く同じようにやっていたのですが、苗に付いてきたのでしょうか。それとも黒星ではなく細菌病?

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カラ梅雨

 TKB47(矢沢)です。
 雨が降りません。4月1日から7月20日までの累計で、今年の降水量(館林)は平年の62%(昨年の50%)。一方で、日照時間は平年の130%(昨年の117%)。さらには10日連続の猛暑日。毎日でもかん水したくなるような状況ですが、明和では誰も行いません。地下水位が高いので、それで問題ないということなのです。
4-7気象

 先週視察で訪れた埼玉の試験場では、「少雨で小玉化が懸念されるが、果実肥大は平年と変わらない」という話を聞きました。今年の収獲果が高糖度になること、来年の花芽が充実することに期待します。

屋上屋を架す?

 TKB47(矢沢)です。
 先週に生産組合の視察があり、埼玉の試験場と市川(大町)の生産農家を訪ねました。試験場では主にハダニ類の対策を聞きました。内容は①新しいダニ剤の開発に対してメーカーは極めて消極的(すぐに効かなくなってしまうため)。②場内の試験では効果のある天敵(ミヤコカブリダニ)製剤の普及は進んでいない。等々です。

DSCN0701
 圃場では、写真のような試験を行っていました。右は通常の根圏制御栽培、左は根圏制御+ジョイントです。左のようにする狙いが何なのか、うっかり聞き忘れてしまったのですが、不良土壌(石だらけ、重粘、白紋羽病・・・)対策でしょうか。そうでなければ、どちらか一方だけで十分に思えます。

 
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