今日も読んでいただき、ありがとうございます。えぇファームの東です。

涼しい日や雨の日が多くて、今年の梨は例年に比べて遅いような気がする今日このごろです。

さて、今回は、上毛新聞に自分が寄稿した内容を紹介したいと思います。以下、原文ままです。

「新規就農者の受入れなんてやめてしまえ!」…。1年間の研修期間を経て、私が就農した2012年当時、周囲の自分に対する評価は最悪でした。これまで町外から来て梨農家になった人たちが、いずれも病害虫だらけの梨畑にしたまま離農してしまい、新規就農者のイメージがガタ落ち。かくいう私も、初年度は梨栽培に失敗し、輪をかける形で信用が地に落ちてしまいました。守ってくれるはずの地元の梨組合員の多くも、「新規就農者の受入れは役場とのお付き合いで始めたことだから」と、極力私との関わりを避ける始末です。自業自得とはいえ、「たった1度の結果だけで判断してしまうこんな町、今すぐ出ていってやる!」と、何度も思いました。それでも明和町で梨農家を続けてこられたのは、「仲間」の存在があったからです。

離農した先輩方の多くは、「無農薬栽培に挑戦したい!」など強いこだわりを持っていました。周りからの指摘にも耳を貸さずに、我が道を行く傾向が強く、最終的には孤立して町を去りました。その過程を見聞きしてきた私は、研修中からさまざまな立場の人からの話を素直に聞くことを心がけました。とくに、農業に関するアドバイスは即実行し、疑問はこちらから出向いて教えを請いました。そんなやり取りを繰り返し、農業に対するひたむきな姿を見せ続けることができれば、苦しい時にこそ手を差し伸べてくれるような関係が作れると考えた訳です。

この行動は奏功し、周囲の冷たい視線が突き刺さっていた就農初年度でも、「おー、頑張ってるねぇ!」と、仲間たちは気軽に何度も声をかけてくれました。このたわい無い世間話でどれだけ自分の心が救われたことか。さらに、私に対する批判を「永い目で見てやってくれ」と受け止めてくれる、防波堤のような存在も担ってくれました。今でも彼らとは互いの作業を手伝い合い、梨のPR活動に一緒に取組み、町の将来を共に語り合っています。

見ず知らずの土地で新たな人間関係を築くのは大変かもしれません。しかし、新規就農者は栽培技術の向上や販路開拓などと同等の力を仲間作りに注ぐべきです。苦しい時の精神的支柱になってくれるだけでなく、仲間と関わることでいつの間にか地域に溶け込み、町全体に「あいつは本気で農家になるつもりだ!」と認めてもらえるようにもなるからです。

その象徴的な出来事が、就農3年後に起こります。地元の梨農家さんが突然訪れ、「来年引退するから、梨畑を引き継いでくれないか」と、お願いされたのです。自分との関係を避けるまでの風潮だったのに、まさか頭を下げられて管理を依頼されるとは…。3年かけてようやく地域に認められたと思えた、感慨深い出来事でした。

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