TKB47(矢沢)です。
 薬散(クムラス)、剪定(ようやく今日で終わり)、苗木のポット植え(30本)で、疲れ果てた今日です。

 受粉期まで1ヶ月を切りました。去年4月に今の園を借りた時には、すでに時期を過ぎていました。また、園の持ち主も、「花を多めに残して放任受粉させる」という方針だったので、去年には人工受粉を行っていません。今年に関しては、チュウゴクナシの輸入花粉を買って人工受粉します。

 受粉樹用品種として、開花時期が早く、花芽が多い「新興」が古くから良く使われています。他に「松島」や「新生」もありますが、この「新生」は要注意です。新潟の試験場からは、「新生は「あきづき、筑水」と不和合である」とする報告(http://www.ari.pref.niigata.jp/nourinsui/seika05/katuyou/12/050212.html)が出されています。「あきづき、筑水」と不和合ということは、「香麗、秋麗、甘太」とも不和合を意味します。

compatybility

 ナシ品種の和合性一覧です。果樹研究所(現 農研機構果樹茶業研究部門)や各県の報告を基に、私が作りました。果樹研究所の高田さんにも確認頂いたので、恐らく間違いはないでしょう。同じ枠内の品種(例えば幸水と新水)は相互に交雑不和合です。
 また、「新興」を「幸水」にかけた場合、和合性があるので着果には至ります。しかし、S₄遺伝子が共通のため、半数の花粉は受精に寄与しません。花粉発芽率が80%だとしても、実質は40%しかないのです。
 チュウゴクナシの場合には、ニホンナシと共通の遺伝子型を持つ品種はわずかしか有りません。品質に問題がなければ(発芽率が高ければ)、ニホンナシ複数品種の受粉用として優れています。